医学専門 校閲者・翻訳者/医療啓蒙

■病院、診療所の利用時注意


病院受診前の準備
病院に行く前に、以下の事項を整理しておきましょう。

  • 今回の受診の主な理由、受診のきっかけとなった主要な症状、特に問題となっている主要症状(主訴)。その改善をまず目指すことになります。
  • 今まで病気。ただしカゼなど軽微なものは除きます。今回の病気と関係している場合があります。病気によっては使えない薬もあります。
  • 家族の今までにした病気(家族歴)。遺伝的な体質や同一環境での生活が体調不良に関係している場合があります。
  • 服薬状況。他の病因の処方薬だけでなく、市販薬や健康食品も含みます。これらが原因の場合があります。
  • 以前に使って具合の悪くなった薬。
  • 病気の原因として思い当たる節があれば、それも話しましょう。海外旅行、風俗店利用、自然環境内への旅行など話してくれると診断しやすくなります。
  • 症状の経過。いつからなのか、症状の程度は一定なのかしだいに悪くなるか、悪くなるとしたらどの程度の期間をかけて悪くなっているか。
  • 診療内容について希望があれば話しましょう。手術はなるべく避けて薬でがんばりたい、急を要するのでなければ入院を要する検査や治療は少し待ってほしいなど。
  • 今回の病気と関係ないと思う症状でも、それを話すと正しい診断の近道になる場合があります。

病院、診療所の利用に際して
再診や入院のときには以下の事項にも注意し、患者として病院を賢く利用しましょう。

  • 女性の人で女性医師の指定、心電図検査などで女性の検査技師を希望する場合は、事前に申し出ましょう。
  • 入院時は看護師に話したから医師に連絡がついているとは限りません。何か異変があれば主治医にも直接話しましょう。
  • 医師の知識や技術、各医療機関の設備や人材などには限界があります。そのことを理解しましょう。患者の要望に全て応えられるわけではありません。
  • 医師のその他の医療者も人間ですから誤りをおかす危険は常にあります。何かおかしいと思ったら、遠慮せずに質問しましょう。
  • 同じ時間、同じ診療科に同姓同名の人が受診しているという例を何度かみかけています。どうも診察内容がいつもと違う、処方箋をみても薬がいつもと違うというときは、他の人と間違われいてるかもしれません。
  • 以前に使って具合が悪くなった薬などは、しっかりと覚えておきましょう。医師がうっかり処方してしまう危険がないとは言えません。
  • 院外薬局の利用は一か所に定めましょう。薬の飲み合わせ、体質上合わない薬の確認などしやすくなります。
  • 医療者も人間なので、人間として接して下さい。無理な要求を続けたり、非常にわがままな患者が専門雑誌などで話題になっていますが、自分の不利益になりかねません。
  • セカンドオピニオンを希望するときは、思い切ってその希望を話すことも必要です。主治医を怒らせてしまうとの理由で遠慮していまいがちですが、治療が順調にはいかないなど相応の理由があれば主治医も診療情報の提供に応じてくれるのでないでしょうか。
  • 患者のとり違うを避けるために病院側もいろいろと工夫をしています。患者としてはわずらわしいかもしれませんが、自己の安全のためにも病院に個人確認の協力をして下さい。