医学専門 校閲者・翻訳者/医療啓蒙

医薬翻訳者になりたい方々へ

フリーの医薬翻訳者になりたい方へ

・翻訳では無収入を覚悟!

 在宅翻訳者として働き生活費を得ようしても、非常に困難です。翻訳会社のトライアル(課題文翻訳試験)に合格して登録されても、まず仕事はありません。翻訳会社に注文が来なくなっています。まだ注文が入る会社と取引するにしても、単純労働アルバイトなみ、もしくは内職なみの低報酬を覚悟する必要があります。
 その上、高価な翻訳ツールソフト所有が仕事の条件になっている事が多いです。仕事があったとしても会社の始業時間から残業時間帯、晩まで常時メールチェックをできる状態や即時作業開始を要求してくるなど、無理な注文もされます。


翻訳スクール、翻訳講座
すべての例に該当はしませんが、参考にしてください。
翻訳スクールは営利目的の民間会社です。広告や宣伝の解釈には注意が必要です。よくみられる宣伝文句はそのまま信用はできません。
  • 翻訳会社の話を聞くと、実際には医薬翻訳でも経済状況、景気に仕事量は左右されます。
  • 「専門知識も教える」というのは「一部の専門知識も教える」という考えましょう。そんなに簡単に専門知識が身に付くなら、医療系の大学や学校は存在意義がなくなります。
  • 成績優秀者は系列会社に紹介、登録とあっても、実際に仕事を回してもらえるのかは全く別の話です。またそれだけ優秀なら翻訳スクールで勉強する必要はありません。翻訳スクールの翻訳能力検定でも、成績優秀者は登録との文言がみられますが、登録者のうちどの程度の割合で仕事が来てどの程度の収入が期待できるかは疑問に感じられます。翻訳スクールに問い合わせるてその回答を吟味しましょう。
  • 翻訳能力の検定試験を受けようと思うのであれば、そのこと自体が実務水準以下という考え方もできます。本当に能力のある人なら、自分が適切な訳をしているかどうか分かるからです。また翻訳者と医療関係者の正解が異なるために、医療関係者がきちんとした訳文を書くと評価が低くなる場合もあります。
  • 医療関係の経歴のない人が翻訳講座を修了した程度では、実務水準に到達するのは非常に困難です。

翻訳会社の実情・取引時の注意
すべての例に該当はしませんが、参考にしてください。
翻訳会社の在宅翻訳者求人に応募するときの留意事項です。「医薬翻訳者募集」に応募する前によく翻訳会社について理解しておいてください。
  • 「急募」と翻訳会社ホームページにあっても、本当の急募ではないことが多いです。すなわち、注文はきていないが、仕事を頼める信頼できる翻訳者がいないから募集しているだけのことが多いです。常時「急募」している会社もあります。こういうところに応募してその対応をみると、「この会社では取引してくれる翻訳者はあまりいないだろうな」と思えることがあります。またホームページ上で「常時募集」「随時募集」という場合は、登録はされても仕事は回ってこないと思われます。本当に今、人材が必要ならば違う方法を用いて募集するでしょう。
  • 翻訳者募集に応募しても、全く反応がない会社は少なくありません
  • いわゆるトライアル、採用試験の課題文翻訳を送っても審査結果の通知をしてこない会社が多いです。結果を催促すると「応募者多数」「審査に時間を要した」などの理由で結果通知が遅れたという説明がされます。審査は短い時間で十分できるので、ほとんどはうそと考えられます。また適切な訳文を書いて提出すると、不合格になることがあります。この点については翻訳会社作成の訳文を読む機会があると、理解できます。すなわち誤訳や不自然な表現を多く含む文章が正解として納品されてきます。
  • トライアル合格後に一度出社を要求する会社もありますが、交通費は請求しましょう。仕事をしてもらうのに交通費も出さないとなると、登録はするが仕事を回すつもりはないことも考えられます。
  • 本人確認のため「住民票の写し」を要求してきた会社がありますが、疑問に感じ後で問い合わせると「コピー」を頼んだが役所発行の文書そのものは要求していないと説明してきた会社があります。この種類の書類は悪用もできますから、安易に渡さないようにしましょう。
  • 翻訳料 (報酬) は非常に低いことを覚悟しましょう。翻訳会社との取引では、時給換算にして派遣社員より低く、主婦や学生のパートに近くなります。日本語訳400文字(一枚)の訳文が学生や主婦のパート時給なみだったりします。
  • 登録しても仕事を回してもらえると思わないてください。一件の仕事も来ない会社が大半です。「仕事はある」と説明しておいて全く仕事を回さない会社もありました。翻訳会社の訳文料金は高額、訳文は低品質という傾向があるためか、翻訳会社を利用する人が減っている可能性もあります。
  • 医療者が正しい訳文を書いても翻訳会社には誤った訳文と評価される恐れがあります。明らかに誤訳と思っても、翻訳会社の言うとおりにしないと仕事をもらえなくなる場合があり得ます。また求人応募時のトライアルで適切な訳文を作成すると、能力不足と判断され不合格になる場合があります。
  • 翻訳者の了解を得ずに、賃金振込の際に銀行振込の手数料を引いて支払いをする会社があります。
  • 仕事の内容、締切は十分確認して下さい。夕方の依頼で翌日朝までにというときは、断る覚悟も必要です。分量を少なく見積もるか、簡単な仕事のように話して依頼されるおそれがあります。作業を始めてから無理とわかっても断れない危険があります。
  • 翻訳者募集に応募するときには以下の事項を質問してみて実際に応募するか、トライアル(翻訳能力テスト)に応じるか判断しましょう。---(1)新規登録者に仕事を回している割合(2)登録翻訳者のうち実際に仕事を回している割合、すなわち実働率 、さらには一定間隔で仕事がもらえる割合(3)翻訳作業料金、報酬金額 (4)報酬支払時には振込手数料を会社が負担するか、翻訳者負担か (4)トライアル審査に要する期間、結果通知時期 
  • 高価な翻訳支援ソフトの使用を求人に際して要求する会社が増えていますが、そのソフトで作業が楽になるからと一定分量に対する訳文作成料を下げる傾向にあります。翻訳会社には注文しない顧客も増えている様子なので、当然の結果として登録翻訳者にも仕事が来ません。高価な買い物をして元手がとれるかはよく考えなければなりません。
  • 朝から残業時間体になる晩まで時間に関係なく電話やメールで常に連絡できることを要求する会社があります。午後5時以降に電話をかけてきて、「メールで原稿を送るから今すぐ訳せるか確認してほしい」という話や、連絡はメールのみで「今すぐ訳してほしい」という依頼だけの会社もあります。無理な要求なら、そのような会社とはさっさと取引をやめてしまいましょう。