●翻訳会社 = 翻訳仲介会社 翻訳会社の多くは社内で直接翻訳作業をするのではなく、登録翻訳者に外注しています。そのことを理解しておきましょう。、翻訳者の能力を判断する能力、適任者選定能力の乏しい会社があります。医学と薬学を混同している会社もあります。下請けの翻訳者に対する報酬は、英文和訳では原稿用紙1枚、つまり400文字の訳文あたりの報酬が、主婦や学生のパート、アルバイト時給程度という場合は多いです。安すぎる報酬のために本来ならばプロとして通用しない下級翻訳者に仕事が回りやすいです。しかも、下級翻訳者の書いた訳文を翻訳会社内で校正する体制ができていない会社もあれば、追加料金を要すると思われる会社もあります。 |
●翻訳会社の能力判定手段 長文を訳してもらうときは、とりあえず冒頭部分だけ発注し、注文先の信頼度を評価する方法があります。ただし、残りを注文するときは同じ翻訳者になるよう翻訳会社に頼みましょう。あるいは、一定分量ごとに納品してもらうよう頼んで、納品後に随時、仕上がりを確認してください。 そうしないと翻訳会社は最初だけ上手な人に訳させ、顧客から注文獲得できた後には安い報酬で仕事をしてくれる下手な下請け翻訳者に訳させることがあります。 翻訳会社ホームページの訳文サンプルについては別項で記しています。 |
●翻訳上の希望は伝える。ただし、指示は細かすぎないように。 翻訳作業上の希望事項は、しっかりと伝えておきましょう。(1)直訳調か、読みやすい意訳にするか、(2)特定の用語の訳語を指定するか、(2)ですます調、である、(3)文体、訳語や用語の指定など。十分な情報提供をせずに後から苦情を言われても、顧客、翻訳会社、下請け翻訳者と全員が嫌な思いをするだけになってしまいます。一定分量だけ訳してもらってから、訳し方の希望に沿っているか確認し、「こうしてほしい」という希望を改めて伝えるのもよいでしょう。誤訳以外にも文体の好みの違いで、訳文が気に入らないことがあります。 翻訳支援ソフトを使うかどうかも、希望を伝えておきましょう。 |
●料金交渉はほどほどに 料金を値切りすぎると、その影響が自分に向かってきます。翻訳会社は、安い料金で仕事をしてくれる下手な登録翻訳者に仕事を回すことになります。ただし値切らなくてもその傾向はあります。必要に応じ「前回と同じ翻訳者に」と頼むなど、翻訳者指名の工夫を考えるのもよいです。 できる翻訳者は、仕事の内容に見合う報酬を当然ながら希望するので、低すぎる報酬では仕事を引き受けません。下請けとはいえ許容限度というものがあります。翻訳者の報酬が時給にして学生、主婦のパートやアルバイト並みではよい仕事はできません。「格安」「激安」などの表現で安さだけを強調する会社は避けるのが安全です。 |
●翻訳という作業の限界 翻訳と作業の限界を理解しましょう。文体の好みの違いや、どうしても他の言語への言い換えが難しい場合があります。原文が悪くて他人には意味が分かりにくい場合もあります。特に和文英訳ではそうです。また和文英訳では日本語を意識過ぎて翻訳ソフト、機械翻訳に類似した作文になりやすいので、自然な英文を希望するならば、事前に翻訳会社に注意を促しましょう。逆に多少不自然になっても直訳調を望むのであれば、その希望を伝えましょう。 |
●原文の影響 必要に応じて訳者注を入れてもらうように事前に頼むなどしましょう。自分で書いた原文を訳してもらうときには、分かりにくい箇所を指摘してくれるよう頼むことも必要になります。 和文英訳のときには、実際に訳す作業をしてもらう前に、日本語原文の分かりにくくて訳しにくい箇所だけを指摘してもらい、それをなおした後に翻訳作業に進むという段階を必要に応じてとりましょう。英訳しやすいように日本語原文を一度書き換えてもらって(もちろん原文の内容を変えずに)、それを注文者が確認してから実際の訳文作成を頼むと、原文と表現が違う等の不満を感じなくてすむかもしれません。そもそも日本語原文がおそまつで、おそらく忠実に訳しても他人の評価は低そうだと思える場合もありますから、訳してもらう前に原文を十分に吟味して下さい。 |